食オタ|食の資格者コミュニティ

SDGs―家庭でできる食品ロス対策を探してみた!<後編>

SDGsでの課題ひとつ、「食品ロス」の問題。

私達が家庭でできる対策は、たくさんあります。
前編では「使う前に廃棄」を防ぐ方法をご紹介しました。

この後編では、「食べ残しの廃棄」「食べられる部位の過剰除去」について注目。

野菜ソムリエや調理師の資格も持つ私が、楽しんでできる食品ロスの対策方法を探してみます!
前編も併せて読んでみてくださいね。

前編≫ https://www.shokuota.com/note-sdgs-foodloss1
 

「食品ロス」と「フードロス」の違い

 
コロナ禍による外出自粛により、
家で調理して食べることが増えましたよね。

そのため以前よりも増して、家庭での食品ロスは、身近で大きな課題になっています。

「フードロス」と呼ばれることもありますよね。
そもそもこの2つの違いは何でしょうか?

食品ロスとは?

食品ロスとは
 
「本来食べられるのに捨てられてしまう食品」を言う(農林水産省HP参照)

食品ロスは2つに大きく分けられます。

  • 事業系食品ロス … 事業活動を伴って発生する食品ロス
  • 家庭系食品ロス … 各家庭から発生する食品ロス

フードロスとは?

フードロス<Food loss>
この「loss」とは、「損失」という意味。

どちらかというと、私たち消費者に届く前の段階で廃棄するイメージみたい。
「事業系食品ロス」に近いかな?

食べ残しや賞味期限切れで廃棄する場合は、「Food Waste」と言うそうですよ!

※見解※ 政府など公で使われているのは「フードロス」よりも「食品ロス」という言葉の方が多いので、「食品ロス」と言った方が良いかな~とも思われます。

 

食品ロスを減らそう!

 
もちろん事業系食品ロスの削減も大切。
でもまずは、私たちの家庭で出来ることから♪

 
野菜ソムリエの資格を持つ私の目線で、
「野菜」から食品ロス対策を考えます!

前編の「使わずに廃棄」に引き続き、
まず「食べ残しの廃棄」の対策を見つけましょう!

「食べ残しの廃棄」を防ぐためには?

 
少人数家族だと、食材1袋や1パックが使い切れないことありますよね。

多く作りすぎて食べきれなかったり、
ちょこっと残ったおかずをうっかり!
なんてことも…。
 

<ポイント1>
冷凍保存を活用しよう

 
野菜も冷凍できるものって多いんです!
半端に残ってしまいそうなときは、冷凍も上手に活用しましょう♪
 

①生のまま冷凍保存

冷凍したほうが、調理の時短になったり、甘みや旨味が増すものもあります!
きのこ類や玉ねぎは、冷凍常備しておくと便利♪

きのこ類、玉ねぎ、ネギ、かぼちゃ、大根、白菜、小松菜 など

 

②下茹でしてから冷凍保存

下茹ですることで、野菜が持っている酵素が失活。
そのため風味や色の変化を防ぐことができます。

ほうれん草、豆類、とうもろこし、ブロッコリーなど

 

③調理したものも積極的に冷凍保存

揚げ物や煮込み料理は、冷凍しても状態が変化しにくいんです!
他にも肉・魚・油揚げ・さつま揚げなども、すぐ食べる量以外はすぐに冷凍。

ただし、ここでもポイントが!

冷凍って入れると忘れがちなんですよね…

 
冷凍庫の底から「これ、いつの?」って経験、
…私もあります(汗)

 

冷凍保存術

「作ったもの冷凍」「食材そのまま冷凍」
ゾーンを分けて保存すると良いですよ!

さらに、マスキングテープに料理名書いて置くと、うっかりが減ります。

 
買い物に行く前に、冷凍庫もチラッと覗くと、買いすぎを防ぐことにも繋がります。

 

<ポイント2>
リメイクして食べよう

 
カレーとか煮物って、多めに作ると美味しいんですよねー。
だけど、毎日食べるのは飽きちゃって、時間が経ってダメにしてしまったり…。
 

どんなリメイクができるかな?
今回は試しに、カレーで考えてみましょう♪
 

カレーのリメイク調理に挑戦

美味しいけれど、作りすぎたカレー。
2日くらいで飽きちゃうんですよね…。

 
冷凍もできるメニューにアレンジすれば、飽きずに美味しい!
安心してたくさん作れちゃいます!
 

~初級編~

①カレードリアグラタン(冷凍可)

ご飯やマカロニの上にカレーをかけて、
チーズをのせてオーブンで焼くだけ!

 
コツ&おすすめ方法

  • お弁当用に小さなカップで作って冷凍しておけば、更に便利♪
  • 冷凍する場合は、カレーの中のジャガイモをつぶしておく方が、解凍後も美味しく食べられますよ

 

②カレー春巻き(冷凍可)

春巻きの皮に包むだけ。
野菜やチーズを足してあげると、味にも変化が出て飽きずに食べられますよ。

 
コツ&おすすめ方法

  • お弁当にちょっと入れるのに最適!
  • 冷凍する際は、先に揚げて、切ってから冷凍しましょう

 


~上級編~

③カレーコロッケ(冷凍可)

残ったカレーに潰したジャガイモを混ぜて、コロッケに。
ジャガイモが溶けてるカレーの場合は、そのままでも作れました!

 
普通のコロッケよりも、好評!
コロッケのために、カレーを作ることも(笑)
 

コツ&おすすめ方法

  • カレーが冷えている状態の方が、上手に丸められますよ!

 

④カレーパン(冷凍可)

食パンで作れるカレーパン♪
私も初めてのチャレンジです!!

  
卵かバッター液にくぐらせて、パン粉をつけて揚げます!
※バッター液=小麦粉を水で溶いたもの

四角いカレーパンだけど、味は本格的です♪
サンドイッチ風に斜めに切ってみました。

 
コツ&おすすめ方法

  • 卵やチーズを入れるとボリューム満点!
  • ナスやトマト入れても美味しそう♪

 

~おまけ~

⑤スープカレー

カレーって必ず、お鍋にこんな風に残っちゃう…。
洗うのも大変だし勿体ない。

 
ここに出汁を入れれば、なんとスープカレー♪
茹でたオクラやブロッコリー、卵をトッピング!

 
野菜の旨味が溶け出してて、カレーよりさっぱり!
カレーライスとはまた違った、おいしさを味わうことができますよ。

コツ&おすすめ方法

  • お鍋を洗うのもラクチン♪
  • 冬だとカレー鍋にアレンジもオススメ!

 

どんなリメイクができるか考えてみよう!

みなさんに宿題です!
次の料理はどんなリメイクができるでしょうか?

  • 肉じゃが
  • ラタトゥイユ
  • 餃子
  • かぼちゃの煮物
  • 生姜焼き

前編でも「一度にまとめ調理」で廃棄を減らす方法をお伝えしました!

リメイクをすることで、
楽しく美味しく食品ロス対策できますね♪

  

「過剰除去」を防ぐには?

 
最後に、「食べられる部位の過剰除去」について考えてみましょう!

 

<ポイント1>
捨てないで食べてみよう

 
当たり前に捨てちゃってるところ。

意外にも美味しかったり、
栄養価が高かったりするんです!
 

食べたらおいしい!野菜の部位

ここは捨てないで―!
そんな野菜の部位を紹介します。
 

ブロッコリーの芯

どこまで切ってますか?
実はブロッコリーの茎って、コリコリしてて美味しいんです!

 
捨ててしまうのは勿体ない!!

花蕾と茎を切り分けて、茎を先に茹でます。
そのあと花蕾も入れて、さっと茹でます。

 
茎はスライスすれば、そのまま食べれます。
ひと工夫するなら細かく刻んで、卵と一緒にタルタルソースに。

 
私はこの茎の食感が好きなので、
わざわざ茎が長いのを購入してますよ~(笑)

 

ピーマンの種

ピーマンの種やワタって、捨てちゃう人が多いですよね。
でも意外と、そのままでも食べにくくないんです!

 
肉詰めにするときは、種やワタがある方が肉ダネが外れにくい!
焼くとワタも柔らかくなるし、種も気にならずに食べられます。

 
●種もワタも食べれる、まるごと焼き浸しもオススメです。
ピーマンの旨味が、中に凝縮されてワタも一段とおいしく感じます。

 

人参の皮

人参は、皮ごと食べるほうが香りもあっておいしいんです!

でも料理によっては、皮をむいちゃいますよね。

 
そんなとき、皮は捨てないで!
少しずつしか出ない場合は、冷凍していきます。

 
ある程度たまったら、マリネやナムルに。
彩りが足りない和えものに入れると、いい仕事しますよ~。

ごぼう・小松菜(前編で紹介した茹でただけ作り置きのもの)とポン酢で和えるだけの1品

 

かぼちゃの種&ワタ

これもついつい捨てがち。
なんの疑いもなく、スプーンでくりぬいちゃうんですが…

 
ワタは、かぼちゃサラダやスープに一緒に火を通して使えます!
いつもより甘くて、コクのある仕上がりになりますよ♪

 
も食べられます!
グラノーラなどにも入っているパンプキンシードです。

手作りパンプキンシードを作ってみましょう。

 
きれいに洗って、殻のままカラカラになるまでフライパンでローストします!
下記でもOKですよ!
・オーブン180℃で約40分
・電子レンジ500w約30秒

殻を割って、緑のところだけ取り出します。

塩を振っておつまみにしたり、
かぼちゃサラダやスープのトッピングにも◎

 

<ポイント2>
野菜くずでべジブロスを作ろう

 
他にも、野菜の捨てちゃうところで出汁がとれます!

「ベジブロス」って聞いたことありますか?
= ベジ(野菜)ブロス(出汁)

 
野菜の皮やヘタには栄養や旨味たっぷり♪
なので、おいしい出汁がとれます!

なかなか料理には使えない、玉ねぎの皮がいい仕事するんですよ~。

 
日々の料理で少しずつ出る野菜くずを、冷凍しておくと便利です!

嬉しいことに、冷凍してある方が濃い出汁がでるんです。
たくさん溜まったら、ベジブロスを作ってみてくださいね。

 
ベジブロスの作り方研究記事
 ↓↓
https://www.shokuota.com/shokuotanote_veggie_broth


ベジブロスは、野菜の旨味が出ているので深い味わいを楽しめます。

 
まとめて作って冷凍ストック。
スープやポトフ、ロールキャベツ、炊き込みご飯などに使うと絶品です!!

 
 

まとめ

 
後編の今回は、「食べ残しの廃棄」「食べられる部位の過剰除去」を防ぐ方法を模索してみました。

 

食べ残して廃棄しないためには?

  • 冷凍保存を活用しよう
  • リメイクして食べよう

 
せっかく作った料理は、無駄にはしたくないですよね。
冷凍やアレンジすることも考えて食材を選んでみましょう。

  

過剰除去しないためには?

  • ちょっとの工夫で美味しく食べよう
  • 野菜くずでベジブロスを作ろう

 
新たなおいしさの発見にもあるかも?!

 


  

前後編に分けて、家庭でできる食品ロス対策について考えてきました。

ひとつでも「家でもできそう!」と思ってもらえたら嬉しいです。
 

今回取り上げた内容のほかにも
・手前どりする
・見切り品を買う など
私達に出来ることは、まだまだたくさんありそうです!

家庭でできることの積み重ね、そしてみんなで少しずつ取り組むことによって、大きな力になります!

SDGs推進のため、一緒に食品ロス問題を解決していきましょう!