食オタ|食の資格者コミュニティ

大人の自由研究「貝磨き」にチャレンジ!食べたあとの捨てちゃう貝殻を有効活用しよう!向いてる貝&磨く方法は?

25721 views

先日、海鮮の“浜焼き“を楽しんできました♪
浜焼きの目玉は、やっぱり!!

立派なホタテ貝~!!

 
冬は熱燗と!夏はビールと!
浜焼き最高~~♡

なのですが…。
食べ終わると貝殻たちがどんどん捨てられていく…。
う~ん、勿体ない!!

そこで、今回は!
捨てちゃう貝殻を使って「貝磨き」にチャレンジしてみます♪

「貝磨き」とは?

 
「貝磨き(かいみがき)」とは?
その名の通り「貝殻を磨く」こと。

磨くととってもキレイになるんですって!

貝の内側がこんな風にキラキラしているの↓
見たことありませんか?

 

この美しい輝き「真珠層」と言います。

外側も磨くと、キラキラになるとのこと!
…それが、貝磨き♪

 

キラキラの真珠層

 
そもそも、なんでキラキラになるのか?!

それは”貝殻の構造”に秘密があるようです。

貝殻の中でもキラキラになるのは、
「真珠層」をもつ貝殻だけ!!

 
真珠養殖に使われている貝は…
アコヤガイシロチョウガイクロチョウガイなど。

真珠層があるから、真珠が作られるんですよね!

 

貝殻の構造

 
真珠層を持つ貝は、こんな構造なんです↓

殻皮層(かくひそう)と稜柱層(りょうちゅうそう)を削る…
すると、真珠層が見えてくる!

貝磨きはこの2つの層を削り取ればよいわけですね!

 

真珠層のある貝を探そう

 
ということで、まずは!
真珠層がある貝を見つけてみましょう!

探し方は、貝殻の内側を見れば判る♪
内側がキラキラ=真珠層を持つ貝です。
 

真珠層がない貝

 
馴染みある貝たちはどうでしょう??

アサリはまぐり牡蛎ホタテ
内側を見てみると…↓

 
キラキラしていませんね…。
これらは、真珠層を持っていません

つまり磨いてもキラキラにはなりません。

 

真珠層がある貝

 
アワビサザエは…??

おっ!
アワビ貝の内側、キラキラだ!↓

 
ということは。
アワビは真珠層を持っている!

他にもサザエもキラキラでした!

貝磨きの方法と準備

 
貝殻は、かなり頑丈!
いきなり磨いてもダメみたい…。

表面の層(殻皮層や稜柱層)を、
洗剤で取り除いてから磨きます!

まずは材料と手順を確認しましょう♪

 

貝磨きの手順

1)汚れや付着物を取り除く

 
貝殻の表面の汚れや付着物は、
主に「たんぱく質」なんです!

たんぱく質は、次亜塩素酸ナトリウムで溶かして取り除きます。

次亜塩素酸ナトリウムで身近なものと言えば…
今回は「台所用漂白剤」を使います↓

 
そうそう。
次亜塩素酸ナトリウムは、
有機物を酸化反応させることで汚れが落とせる仕組み。

貝殻の表面の汚れを落としてもらいましょう~!

 

2)外側の層を溶かす

 
真珠層の外側にある殻皮層や稜柱層。
その主成分は「炭酸カルシウム」です。

炭酸カルシウムは「塩酸」に浸けて溶かします。

「塩酸」なんて、理科の実験以来だな~♪

身近な洗剤が塩酸でした!
意外にも…「トイレ用洗剤」!!↓

 
なんか懐かしい…。
学校のトイレ掃除はこれでしたよね!?

塩酸が水垢(炭酸カルシウム)を落とす仕組みです。

 

3)粗削り

 
薬剤に漬けたあと、荒めのヤスリで削ります。

取りきれない有機物や外側の層を
剝がし落とす作業です。

 

4)仕上げ磨き

 
紙やすりで、ピカピカに磨いていきます。

この時も、濡らした状態で磨くので
耐水ペーパーを使います。
 

漂白剤やトイレ洗剤を使用するので、
ゴム手袋・マスク・ゴーグルも準備忘れずに!

【貝磨き実験1】
アワビを磨いてみよう

 
アワビの貝殻が手に入ったので
貝磨きに初挑戦~!!

★洗剤への漬け込みは、屋外やベランダなど換気の良い場所でやりましょう
★お子さんが行う時は必ず大人の方と一緒に作業をしてください

 

1)汚れや付着物を取り除く

 
貝殻の表面は、フジツボなどの有機物がたくさん!
洗っても取れないですよね~↓

 
まずは、貝の表面から付着物を取ります!

最初に使うのはコレでしたね!
キッチン用漂白剤!!

2倍に薄めて漬け込みます。

 
ペットボトルを切ってバケツ代わりにしました♪

漬け込むこと10分…。

おぉ~!
表面の黒い層や白い塊が取れてる!

 
さらにタワシでこすってみたら、
付着物がポロっととれました!

なんか気持ちいい~(笑)

 
頑固に引っ付いている物は、
爪楊枝などで取っても良いですね!

 

2)外側の層を溶かす


次に、塩酸処理

先ほど使用したものとは別のペットボトル容器を用意しましょう!
※バケツの場合も、しっかり水で洗い流して、乾燥させてから使用しましょう。

【注意】次亜塩素酸ナトリウム(台所用漂白剤)と塩酸(トイレ用洗剤)を混ぜると、人体に有毒な塩酸ガスが発生します。吸い込んで中毒になる恐れがあるため、絶対に混ぜないようにご注意ください。


2倍に薄めたトイレ用洗剤に漬け込みます。

 
しゅわしゅわ~と泡が立ってきました!
吸わないように注意!!

待つこと60分…。

取り出してみると…
すごっ!!真珠層が見えてる~!!!

 
タワシでこすり洗いしてみると…
茶色いのがどんどん剥がれてくる!

でもまだ真珠層が見えていない場所があるなぁ。
さらに追加で浸けてみよう!

 
反応がなかったので洗剤を追加。
60分、放置したところ…

溶けて穴が開いちゃいました(汗)

 
やりすぎたか~~…。
全体を濃い洗剤に浸けたのが、良くなかったみたい。

 
…気を取り直してっ!!

まだ稜柱層が残っているところだけ!
筆を使って、洗剤を塗り込んでみました。

 
薄めた洗剤だとあまり効果ないな…。
原液を直接、何度か塗ってみました!

う~ん、いいかんじ♪
真珠層がだいぶ見えてきましたね~!

 

3)粗削り

 
ここから貝を削っていきます。

ここでまた注意!
貝の粉は、吸うと良くないらしい!!

・しっかりマスク着用
・ぬれた状態で粉が舞わないように

削ってみると…
結構、力が必要だな~!!

紙やすりよりも、こんな棒ヤスリの方がやりやすいです↓

 

4)仕上げ磨き

 
だいぶ稜柱層が削れたかな?

さて、仕上げ磨きです!!
耐水ペーパーで磨いていきます。

 
水に濡らしながらの作業なので
”耐水”の紙やすりを用意してくださいね!
(パッケージに「耐水」と書いてあります)

だんだん目が細かいヤスリに変えて…
磨いて…磨いて…
これは、根気がいりますね…!!汗

 
できたっ!
どや――――!!

 
両面キラキラのアワビ!!

キレイ~♡♡

結構、頑張りました(汗)

【貝磨き実験2】
真珠層を持たない貝を磨くとどうなる?

 
真珠層まで磨き続ける…。
貝磨きは正直、かなり大変…!!(汗)

そして、アワビってそんなに身近ではない…。
 

もっと手軽に手に入る貝で楽しめないかな??

やってみよ~!!!
と。用意したのは牡蛎ハマグリ

 

1)汚れや付着物を取り除く

 
まずは、薄めたキッチン漂白剤に浸けてみましょう。

アワビみたいに、付着物があるようには見えないけど…。
 

おや?!
ハマグリは茶色い”膜”が浮いてきてる…?
はがれそうじゃない?!

 
牡蛎も、明らかにキレイになってます!
付着物も取れてますね~。

 
ザラザラ感がなくなり
ツヤっとした光沢が出てきました!

 

2)外側の層を溶かす

 
次は塩素処理ですね。

トイレ用洗剤にも浸けてみましたが…
この通り…ボロボロ(涙)

 
牡蛎やハマグリは、塩酸処理しない方が良いみたい!

もう一度、別の貝殻でリトライ。
台所用漂白剤の漬け込みだけにします!

 

3)磨き

 
牡蛎は貝殻がデコボコしているし、
このままで十分キレイなので磨かずに完成!

なんか美しい~♪

 

ホタテは、浮いてきた茶色い膜が取れたら良さそう!
膜だけキレイに削ってみよう♪

耐水ペーパーで磨いてみます!

 
茶色い膜が削れたら、
細かめのヤスリに変えて磨きます!

光沢が出るまでピカピカに♪

できた~!!

 
おぉ~!ツヤツヤ♡
肌触りもスベスベでなんだか可愛い♪

【貝磨き応用編】
磨いた貝でアクセサリーを作ろう

 
丹精込めて磨いた貝たち。
美しくなった貝殻を、何かに使いたい!

そうだ♪
アクセサリーにしてみましょう!!

 

アワビ

 
全体をキレイに磨いたアワビは、
このままアクセサリー入れに♪

かわいい~♡
これは頑張る甲斐があります!!

 

溶けて穴が開いちゃったアワビは、
欠片にしてピアスに!!

真珠層がキレイに出ているところを使いました♪

 
真珠層の輝きは、
光で見え方が変わるからキレイ!

ネックレスにしても良さそうですね~♪

 

牡蛎

 
牡蛎は、形を活かしたいな~。

裏にパーツをボンドで付けて…
ブローチに!

 
冬は、胸元が寂しくなりがち。
自然な牡蛎の柄がアクセントになって、いい感じ♪

 

ハマグリ

 
ハマグリは、やっぱりコレ!

穴を空けてキーホルダー(チャーム)に♪

 
ハマグリは内側もキレイなんですよね~。
小さな小物入れに使っても良さそう!

 


 

いつもは捨てちゃう貝殻。
磨くだけでこんなにも美しくなるなんて、新発見!!

「貝磨き」ハマっちゃいそう!!

珍しいヒオウギ貝と出会ったので
こちらも磨いちゃいました♪

 
貝殻って一つ一つ殻が違うんです!
世界で一つだけの自然の美しさ♪

そして、貝を磨く作業は黙々と没頭…。
気分転換にもなると思います!

子どもの夏休みの自由研究や
大人のストレス発散にもピッタリ!

皆さんも是非チャレンジしてみてくださいね♪