食オタ|食の資格者コミュニティ

材料は野菜!食物アレルギーのわが子のために作った「もどき料理」

今、食の多様化が叫ばれています。

東京オリンピックが迫ってきたから?
それともインバウンド需要??

いろいろな食スタイルを選べる時代。
ベジタリアン、ヴィーガン、マクロビオティックなど…。

野菜を主にして動物性の食品を避ける傾向が強いですね。

その他に宗教上や健康上の理由によって食を変える人もいるでしょう。

そんなことは何も考えず、普通に食事をしていた私。

でもその日は約25年前に突然訪れました。

それは…

生まれた子どもが、
重度の食物アレルギーだったのです!
思いもよらない制限食の日々の始まりでした。

食物アレルギーとは?

「食物アレルギー」って何か?

簡単に言うと、体内に入ってきた食べ物に含まれる、
主にたんぱく質を異物として認識して症状を引き起こす病気です。

ただ、人によってダメな食べ物も症状もバラバラ。
それだけに治療も困難を極めます。

主なアレルゲン(アレルギーの原因)はこの5つ。

これらは五大アレルゲンと呼ばれます。
・牛乳
・卵
・小麦(粉)
・米
・大豆

他にもアレルゲンは多岐にわたります。
そば・えび・かに・落花生・山芋・りんご・桃・キウイフルーツ・バナナなど…

厚生労働省の2015年度乳幼児栄養調査によると、6歳以下の子どもの7人に1人が食物アレルギーと思われ、症状を起こしたことがあるそうです。

大人で急に発症する人も増えているそうで、見過ごすことのできない問題になってきています。

わが子の場合

生後半年目に受けた検査では
↓ これらが✖

肉・魚・卵・牛乳・チーズなど。

↓ これらも✖

使える調味料は基本、少量の塩のみ。

調子のいい時だけ、ほんの少しの雑穀味噌と醤油が許されていました。

↓ そして、当然これらも✖

おせんべい・チョコレート・コーヒーなど
お菓子は全般がダメでした。

検査の結果、食べてよかったのは
↓ これだけ!

米と人参!

「…これだけ?!」
もう泣くしかありません。

当時の食事ノートを見ると、人参・玉ねぎ・かぼちゃ・ピーマンなどで、ラタトゥイユのようなものをよく食べていたようです。

さすがに米と人参だけではどうにもなりませんから…。

■わが子の場合の食物アレルギー 

◆NG
肉・魚・卵・牛乳・チーズ・小麦粉・砂糖・味噌・醤油・おせんべい・チョコレート・コーヒー・お菓子全般

◆OK
米・人参
調味料:少量の塩(調子のいい時ほんの少し雑穀味噌と醤油OK)

こんな食物アレルギーの宣告を受ける日が突然訪れたら、あなたならどうしますか?

今のようにインターネットもなく、宅配もそれほど普及していなかった。

書籍もそれほどなく、ゆえに、知識もない…。

転勤で見知らぬ土地であり、車もない生活。

しかも0歳・2歳児を抱えていては買い物もままなりません。

当時の治療法は、ダメと思われる食材を除去するというもの。

たんぱく質がすべてダメでしたので、
野菜を主にして補うしかありません。

とにかくお米と野菜だけを食べる日々が始まりました。

!!注意!!
たんぱく質制限は医師の指導の下に実施しました。
独自の判断では決して行わないでください。
たんぱく質制限は危険です

どんなものを食べていたの?

制限のある中での食事って?
どんなものを食べていたのでしょうか。

↓当時の食事ノートです

こんな風に反応を見ながら食べられそうな食品を探り続けてきました。

連続しなければ、少量の肉や魚を食べられるようになっていきました。

その頃には、見た目を似せた「もどき料理」もよく作っていました!

材料には野菜を多く使います。

「もどき料理」クイズ

それでは!
実際に私が作っていたもどき料理!
クイズ形式でご紹介していきます〜

何か分かりますかー??

全部で5問、考えてみてください!

第一問これらの材料で作ったもどき料理は何でしょう?

頼りになるのはとうもろこし。
最初は使えませんでしたが、1歳過ぎからは
使えるようになっていました。

甘くてとっても美味しいんですよ。

簡単かな?
そう、クリームシチューです。

第二問ではこれは何の料理になるでしょう?

たったこれだけ?
かぼちゃと白身魚(今回はたら)

幼稚園以降、お弁当によく使いました。

答えは…
なんと!玉子焼きになります。

味は…
玉子焼ではありませんが、まずくもありません(笑)
黄色い練り物といった感じでしょうか。

じゃがいもとかぼちゃで作るバージョンもあります。

完成品はこちら。

冷えると少し硬くなるので、白身魚の方が好評でした。

こんなものも作っていました(笑)
卵!!

左は本物の卵、
右はだんご粉で白身を作っています。

白玉だんごのように茹でます。
切って中を見てみると…

少し黄身が大きかったかな?

うずらの卵サイズでよく作りました。
かぼちゃあんのお団子みたい(笑)

問題3これは何のもどき料理になるでしょうか?

大根とネギと豚ひき肉?
わかりますか?

小麦粉も食べられませんでしたから…。
パンもパスタもうどんもダメ。

お好み焼きも天ぷらも…。

そう、答えは…
餃子です!

スライスし、塩をした大根に
粉をふってからタネを包みます。

ちなみに、こういう時の粉はさくさく粉。
さごやしのでんぷんを使っていました。

シンプルな材料が続きます!

第4問これでできるのは何でしょう?

れんこんとえのきだけと
水切りした豆腐と大葉。

これもよく作りました。
子どもの好きな…

答えは、
ハンバーグ!!

れんこんはすりおろすとモチモチになります。

お肉で作るハンバーグとは別物ですが、
これはこれで美味しいものです。

最後の問題です!
これもとってもシンプル。

第5問さて何ができるでしょうか?

れんこんと海苔と水切りした豆腐。

山芋で作る場合も多いようですが、
うちの子は食べられなかったので
れんこんにしました。

少量の油で揚げ焼きにします。

タレを絡めると…

そうです!
答えは、
みたいになります。

どんぶりに盛って雰囲気を味わいます。

それっぽいでしょ?

以上、もどき料理クイズでした。
何問わかりましたか??

そういえばこんな故事ことわざがあります。

「山の芋 鰻になる」

あるはずのないことが時には起こるというたとえ

精進料理にもありますし、この鰻もどきは昔から作っていたのでしょう。
面白いですね。

でも、あるはずのないことをやり続けるのがこの代替食なのです。

なにせ命がかかっていますから。特別な日にはケーキも作りました。

アボカドとナッツがベース。
本当に年に1回だけのお楽しみですが…。

子どもが高校を卒業するまでお弁当生活は続きました。
外食や加工食品も注意が必要です。

表示にはなくても食べると口の中がイガイガすることが今でもあるようです。

まとめ

こんな風に工夫をし、野菜の力を借りて食物アレルギーでも食を楽しんでいました。

工夫に費やした時間も今では宝物です。

裏の表示を見れば似たものをどう作ったらいいのか、
そして食べてみれば何が入っているのかが想像できるようになりました。

とにかく作ってみることです。

最近では様々な食に対応する飲食店も増えました。

ですが15年ほど前は国際線の機内食ですら対応が今一つ。

南方のフルーツが用意されましたが、アレルギーの子どもは食べられないことが多いという事実。

飲み物だけで過ごさせたという苦い思い出も…。

今は航空会社のHPを見ると、
乳幼児食、糖尿病・低塩・低脂肪食、ヒンズー教やユダヤ教食、様々なベジタリアン食
そしてアレルギー食など。

とても充実していますね。

食は本来楽しいもの。

食べられないことは不便ですが、決して不幸ではありません。

「変わってる」とか「かわいそう」とか思わないで認め合うことができたら素晴らしいですね。

野菜に助けられてきたこの25年。
改めて感謝の思いでいっぱいです。

今後も野菜の果たす役割はとても重要!

どんな食スタイルの人でも楽しめる世界へ。

表示義務を含め、食への理解が進むことを願ってやみません。

それでは!
次回の食オタノートもどうぞお楽しみに〜。