食オタ|食の資格者コミュニティ

エビの殻を有効活用!捨てちゃう部分でアメリケーヌソースや出汁・スープに

先日食オタが集まる会議で、
エビについてこんな話題に…。

「エビの殻や頭で、アメリケーヌソースできないかな?」
「普段使うエビの量から出る、捨てちゃう部分で出来たらいいよね!」

アメリケーヌソースって大量のエビが必要な感じがするな~。

でも、廃棄部分で作れたらいいですよね♪
頭や殻の旨味も食べ尽くせるぞ!

今回は「えび」第二弾!

チャレンジしてみましょう!

アメリケーヌソース作りに挑戦!

アメリケーヌって、えびを使ったソースのこと。

と言うところまでは知っているけど
あまり馴染みがないかも…。

この機会にアメリケーヌソースについて調べてみました。

アメリケーヌとは?

スーパーで缶詰を発見!

英字で「Sauce Americaine」
カタカナでは「アメリカンソース」

って書いてある。

アメリカンソース?

アメリケーヌではない????

◆アメリケーヌソースとは

アメリケーヌとはフランス語で「アメリカ風の」という意味。

甲殻類をつかったフレンチのソース。

だから缶に書いてあるカタカナはアメリカンソースなのね。

ん???

まってまって。

フレンチなのにアメリカ風???
気になったので調べてみました。

アメリケーヌの由来

アメリケーヌソースの由来…。

人名?地名?なんだろう??
(わたしは人名と予想!)

・アメリカ人のシェフがパリで開発したから、アメリケーヌ

・アメリカでレストラン勤務経験のあるフランス人シェフがオマール海老を使った料理を出した際、料理名を「アメリケーヌ」と答えたから

と、アメリカにまつわる理由もあれば…

・フランスのブルターニュ地方が以前は「アメリケヌ」と呼ばれていたから(ブルターニュはオマール海老の産地だったよう)

こんな、地名に由来する説も。

アメリケーヌの名前の由来は、諸説あるよう。

人名ではありませんでしたね…。

1980年代のお話のようですが背景も想像すると面白いですね!

◆ビスクとの違い

えびの殻や頭を使う料理として、アメリケーヌの他には「ビスク」も。

エビのビスクスープ♪

好きな方も多いのでは??

違いってなんだろう??

大きな違いは…

●アメリケーヌ=ソース
●ビスク=スープ

作り方は似ています。

アメリケーヌにはトマトが入ります。

ビスクは魚の出汁を加えたりするみたい。
とろみの付け方も違うらしい。

ふむふむ。
料理の種類の違いなんですね〜!

アメリケーヌ作りに挑戦!

今回は、アメリケーヌソースを

家で使うエビの廃棄分量で作れるか

がテーマです!!

まずは有頭えびを探しに近所のスーパーへ。

あったあった〜♪

1パック購入。

買ったのはアルゼンチン産赤海老!
中には8匹入っていました。
鮮やかな赤が「赤えび」の特徴。

茹でなくても赤い色をしているのは
アスタキサンチンの含有量が多いから、
らしいです。

アメリケーヌソースの材料です!

じゃーん♪

【アメリケーヌソース材料】
・赤海老
・香味野菜(人参、玉ねぎ、セロリ)
・ホールトマト
・ニンニク
・ローリエやパセリの茎
・ブランデー(白ワインでもOK)
・生クリーム

写真には写っていませんが、
バターも用意します!
(すみません、仲間に入れ忘れました)

作り方を調べてみると…

【アメリケーヌソースの作り方】
①えびの殻や頭を炒める
②香味野菜を入れてさらに炒める
③水、トマト、スパイスを加え煮詰める
④煮詰めたものを濾す
⑤漉したものをさらに煮詰め、バターや生クリーム、塩などで味を整える

よし!

行程確認もできたところで下準備からしていきます〜!

◆下準備

赤海老はざっと洗って、頭をはずして、殻を剝きます。

頭の棘(トゲ)に注意!!

イタタタタ…。

結構鋭いので刺さると痛い!!
みなさんは注意してくださいね。

今回の主役は殻や頭!


身は別の料理にします♪

用意した香味野菜たちはみじん切りにします。

下準備はこれでOK!

◆いざ、調理開始!

①えびの殻や頭を炒める

オリーブオイルにニンニクをいれて…
ニンニクの香りがしてきたらえびの頭や殻を炒めましょう!

生臭さが残らないよう、
しっかりとね。

にんにくの香りとえびの香りが漂ってきます♡

すでにいい匂い〜!

充分炒められたらフランベします〜!

今回はブランデー使いましたが
白ワインなどでも良いですよね!

②香味野菜を入れて炒める

香味野菜たちを合流させます。


しんなりするまで~♪

③水、トマト、スパイスを加え煮詰める

第二の主役、トマト缶をIN♪

お水を足して、ローリエやパセリの茎もいれましょう!

このまま弱火で煮詰めていきます。

結構しっかりした殻なんだよな…。

次は濾す作業になるけど、
苦戦しそうな予感が…。

なので木ベラを使って、頭を割っちゃいます!

約15分で半量まで煮詰まりました!

④煮詰めたものを濾す

ザルと木ベラで漉していきますよ〜。


むむむ。

予想以上に手強い…。

全然出てこない〜(泣)
そしてざるが壊れそう…

フードプロセッサーを使って一旦、細かくしたものを漉していきます。

ざらつく感じがあったのでもう一回!

キッチンペーパーを敷いて漉します。

漉し終わった…!

思ったより少ない〜!

計量してみると、約300ml。
使用したトマト缶より少なくなりました。

ちょっと味見してみると…

「おぉ~!!濃厚なえびの味〜♪」

⑤味を整える

漉したものはサラサラ!

小鍋に移して弱火で煮詰めます。

程よい濃度になったら火を止めて、
バターを入れて溶けたら生クリームを。
塩胡椒で味を整えたら…

アメリケーヌソースの完成♪

◆食べてみよう!

お昼時なのでパスタにしてみます。

さっき剥いたエビも入れようっと♪
フェットチーネを茹でて、軽く和えたら…

アメリケーヌソースパスタ
できました〜!

バターや生クリームが加わると
えびの濃厚さに加えコクが生まれ…

美味しい〜!!!

今回は1パックの廃棄部分、
すべてを使ってみました!

エビの殻と頭の量は、8匹分で約300g。

ただ…
我が家だと8匹は多い。

アメリケーヌソースのために、
この量の赤海老を買うのはなぁ…

半量でもつくれるか?

エビを半量にしても出来るかな…?

やってみます!

赤えびは4匹用意。

殻と頭の重さは、約170g。

香味野菜など他の材料は半量で!

若干、煮詰まるのが早いような…?

濾すのは、
フードプロセッサーで細かくして、
水切りネットに入れて漉してみました。

漉し終わった後そのまま捨てられるので楽ちんに〜!

無事に出来ました!!

※先ほどとボウルの大きさが違うので量が多く見えますが…

約150ml出来ました!


味見タイム〜♪

うん、濃厚ソース◎

半量でも美味しくできますねー!!

<できあがったアメリケーヌソースの量>
●エビ8匹分で約300ml
●エビ4匹分で約150ml

殻だけ・桜エビでも作れるか?

もうひとつ問題が…。

意外と、有頭えびがスーパーに売っていないんです(涙)

ほぼ、頭が外れた状態での販売…↓

入手が簡単な「えびの殻」だけで
アメリケーヌできないかなぁ???

あと、桜エビは?!

余りがちな桜エビでアメリケーヌソース作れないかな?!

ということで、この2つで試してみます!!

【挑戦するアメリケーヌ実験】
①殻だけで作れるか?
②桜エビで作れるか?

やってみましょう!!

殻だけで作れるか?

ブラックタイガーを1パック用意。

殻を剥いて…
量を測ってみると約30g。

かなり少ない気がするけど大丈夫かな?

殻の量も少ないので香味野菜やトマト缶は1/4量にしよう。

油とにんにくを入れて、えびの殻を投入!

入れたらすぐ、赤くなりますね!

赤海老と比べ水分量も少ないせいか
カラカラになるのも早い〜!

焦げないように弱火でじっくり…

わわわ。

ニンニクがこげそうなので退避。

ブランデーでフランベ。

一緒に香味野菜を入れたいけれど
さっきより水分が少なく焦げそう…。

なので別々に炒めることに。

香味野菜がしんなりしてきましたね~。

炒めたえび殻、トマト缶とお水、
ローリエなどを入れて煮詰めます!

約半量になるまで、
だいたい10分くらいでした。

濾すときは、旨味を残さないように
ぎゅぎゅっとね!!

綺麗なオレンジ色になりました〜!

約70mlのソースができました♪

さっそく味見〜!

んんん…。

かすかにエビの風味はするけど…
頭入りのものと比べると風味が少ない。

こりゃあ、作り直し!!!!

ハーブやスパイスの力を借りてみようか。
フレッシュタイム入れて…。

やっぱり殻だけだと風味に乏しくなりますね…。

桜エビで作れるか?

桜エビでもやってみましょう!

お好み焼きなどには欠かせない存在。
けど、我が家では中途半端に残りがち。

余っていたものを量ってみると…


約20g!

これで作ってみましょうー!

香味野菜やトマト缶は、こちらも1/4量でやってみようかな?

桜エビ、干してあるのですが、念の為。
軽くオリーブオイルとニンニクで炒めます。

やっぱりいい匂い〜!

香味野菜とトマト缶で半量まで煮詰めたら、漉していきます。

ん…

一番漉しにくいかも…。

フードプロセッサーにかけて漉します!

キッチンペーパーでもう一度漉そう。

殻だけのものよりは少し量が多く
約100mlできました〜!

お味は…

わ〜!

桜えびの味が口の中を駆け抜けます!

◆アメリケーヌソース比較

頭+殻、殻だけ、桜えびと、
3種類のアメリケーヌソースを作ってみました!

比較してみましょう~♪

●頭+殻(赤エビ)
●殻だけ(ブラックタイガー)
●桜えび

並べてみると、結構色が違いますね!

左:頭+殻 中:殻だけ 右:桜えび

茹で海老・真鯛のポワレ・バゲット
を用意して、味比べ!

さぁ、判定はいかに?!

◆頭+殻

赤エビの頭と殻で作ったものは…?

なかなか好評です♪

◆殻だけ

こちらはブラックタイガーの
殻だけで作ったもの。

ハーブの香りで風味増強を試みましたが
その風味は好みがあるよう。

◆桜エビ

余りがちな桜エビで作った
アメリケーヌソースはいかが??

「だし巻き卵や和食にも合いそうだね〜」

と、盛り上がりました。

頭を入れたものや、桜えびの風味には一歩及ばずだったのは「殻のみ」

作る時間や手間を考えると殻だけで作るアメリケーヌは、あまりオススメ出来ないかな…。

エビの殻の活用方法を考えよう

でも、一番よく使うのは頭のないエビですよね~!

この殻だけで、なにか有効活用できないかな~?

シンプルに出汁にした方がよいのかも?

やってみます!!

エビの殻でだしをとろう

工程はとっても簡単!

エビの殻でだしを取る方法
①えびの殻を煎る
②鍋に煎ったえび殻と水を入れ煮出す

フライパンにえび殻を入れて、煎っていきます。

色づいてきたし、いい匂いだし
それそろ良いかな〜♪

鍋にえびの殻を移し、お水(約400ml)入れ煮出します。

ことこと煮出すこと15分。

ザルで漉して、出汁が出来ました〜!

さっそく味見しまーす。

「う…。な、生臭い…。」

エビの生臭みが前面に。

残念ながら、とても飲めそうにありません。

おそらく原因は「煎り不足」かな?
一体どこまで煎ればよかったんだろう。

気を取り直して再チャレンジ!!!

今度は事前にペーパーで、エビの殻の水分を取っておきます。

焦げないように弱火でゆっくりと煎っていきます。

すぐ色づき香ばしい香りが…。

でもまだ、もう少し!
焦がさないように…。

約10分後。

殻を木ベラで触ってみるとパリッと割れました!

今度はいいかな~??

鍋に入れて煮出してみます。

15分煮だしてみると…

うん!美味しい!

エビの香ばしさが楽しい♪

\エビの殻でだしを取るときのポイント/

殻が「ぱりぱり」になるまでじっくり煎る!
※焦がさないよう注意し、木ベラで触って割れるくらいが目安

エビの殻は、長く煮出した方が濃く出るかな~??

殻の煮だし時間、検証してみました!

左:15分 右:30分

15分で充分美味しい!!

30分煮だすと、量もかなり減っちゃう。

あと煮出し終わったら、すぐにザルで濾したほうがいいかも!

置いておくと臭みも出る気が。

取ったえび出汁は、スープにしたりカレーやリゾットに使うと美味しい♪

殻も食べてみよう!

アメリケーヌも、出汁も、作った後の殻は美味しくない…。

エビ殻には、旨味以外にも動物性食物繊維も含まれているらしい。

だったら!

殻も食べられないかな?!

ということで、「エビ塩」やってみます!!!

えび殻をフライパンで空炒り♪

カラカラになってきたら、お塩を入れてさらに煎ります。

お塩がサラサラになったら今度は細かくしよう~!

すり鉢に入れてごりごり。

細かくなったら完成♪

ミルを使ったら早いですね~。

サーモンピンクが可愛い
「エビ塩」できました〜!

おぉ~!

こりゃ美味しいぞ!

グリル野菜にふりかけたり、
塩焼きそばに使用したり…

エビの旨味がプラスされて美味しい♪

殻だけでも有効活用できそうですね!!

まとめ

お家で使うエビの量の頭や殻で、アメリケーヌが作れるか?

という検証をしました!

香味野菜やトマトの量を調節すれば
少量でも濃厚なアメリケーヌソースに。

個人的には他の方法の方がおすすめ。
(えび出汁、えび塩、えび油など)

ちょっと和風なテイストの桜えびの
旨味がつまったソースに。

【アメリケーヌ調理時のポイント】

●煮詰める際、殻が固そうなら事前に木ベラで割っておくと良い

●ザルで濾せないときは無理せずにフードプロセッサーを使用する

●水切りネットなどを使用して漉すと楽チン!
【エビ殻だし調理時のポイント】

●殻の「煎り不足」は臭みの原因

●殻の水分をペーパーでふき取る

●「木ベラで触って殻がぱりっと割れる」くらいが煎り終わりの目安

臭みが出ないようにするためには「煎り方」がポイントでした!

ほか、エビの殻だけだったら「エビ塩」にするのもおすすめ♪


作ったアメリケーヌソース。

日にちが経つと、えびの香りが飛んでしまいます…。

食べきれないときは、冷凍保存!

バターや生クリームを入れる前の状態で
型にいれて冷凍します♪

キューブ型なら、すぐに使えて便利。

少し手間や時間はかかりますが、
自家製アメリケーヌソースは
と~っても美味しかったです♪

有頭えびが手に入ったら、アメリケーヌづくりにチャレンジしてみては??

ではでは、次回の食オタノートもお楽しみに♪