食オタ|食の資格者コミュニティ

ベジブロスは美味しく作れるのか!?

野菜って、皮やへたなど捨てている部分にも
栄養があるって知っていますか?

「その捨てる部分でだしをとるといいんだよね」

「わかってはいるけど正直美味しくないよね~」

ヤサオタメンバーの中でもそんな声があったりして…。

そうなると検証してみたくなるのが私たちヤサオタ!


果たして美味しいベジブロスは作れるのか?
検証実験始まりま~す!

ベジブロス実験

ベジ Vege =野菜
ブロス Broth =だし汁

野菜でとるだし汁は美味しいのか?
が今回のテーマ。

始める前にまとめてみると…

結局は何をどうしたらいいのか
よくわからないということですね。

ならば!

いろんなベジブロス、材料・手段でやってみましょう!

以下で試してみます!

1)基本的な野菜で
2)甘みのある野菜を中心に
3)鍋ではなく炊飯器で
4)アブラナ科の野菜のみ
5)冷凍した野菜で

実験1 基本的な野菜で作る


まずは、基本的な野菜で作ってみます!

材料】
大根・人参・かぶ(日野菜かぶ)
小松菜・玉ねぎ・パセリ

この野菜のどこを使うの?

いい質問ですね(笑)

ここです!



へたや皮!!

煮ていきますー!
甘くていい香り。


澄んだだし汁ができましたよ~。


かぶの味と匂いが、強い気がします。

でも私は好き!

実験2 甘みのある野菜を中心に作る


今度は甘みのある野菜を中心に作っていきます

■黄金比率「7:3」
甘みのある野菜=7
緑の野菜=3


今回採用した野菜はこんな感じ。

甘みのある野菜(A)
かぼちゃ・トマト・人参・パプリカ・じゃがいも

緑の野菜(B)
キャベツ・パセリ・セロリ・青菜・ねぎ・玉ねぎ

A:Bの分量を
7:3にします!


この配合が一番美味しくなると言われているんです。

実験1の時よりも、甘くて美味しそうな匂いが…。
そしてお鍋の中の見た目も美しい(笑)


明らかに!
味の違う甘いだし汁になりました!


でも野菜の種類が多い分、雑味が出ているかも?

カレーなどの煮込む料理には向きそうですね。

実験3 鍋ではなく炊飯器で作ってみる


実験2と同じ材料を、今度は鍋ではなく炊飯器で作ってみました。

炊飯器はじっくり低温から加熱する!
そんな特性があるので、いいだし汁ができるのでは?!と期待大です!


ところが、かぼちゃ・じゃがいもが煮溶けてしまい…
濁っただし汁になってしまいました。
残念!


しかも量が少ない!

味は濃いけれど、わざわざ長時間かけてやる必要性が…ないかも?

実験4 アブラナ科の野菜のみで作る


アブラナ科の野菜って多いですよね!
今回はアブラナ科のみで作ってみます。

【材料】
ブロッコリー・大根・かぶ・
小松菜・キャベツ・コールラビ

アブラナ科の野菜を長時間煮ると、苦味が出る!と言われているんです。


アブラナ科の野菜のみで作ったら、さぞかし苦いだし汁が…。


あ~、見た目もちょっと残念な感じ。

色素が出る野菜がない分、薄い色のだし汁になりました。


味を見てみると…

ん?!
思ったより苦くない!!

苦味よりも匂いが気になる~!

野菜があまり好きではない人には不向きかも?

冷たくすると匂いは気にならないけれど、リピートしようというほどの味ではないかな?

実験5 冷凍した野菜で作る


さ!今度は。
先に冷凍してみます!

【材料】
大根・じゃがいも・パプリカ・トマト・パセリ・かぶ・かぶの葉・玉ねぎ

野菜くずは少しずつ冷凍庫でためていき、ある程度たまったら煮るのがベスト!


それに!
冷凍した方が野菜の繊維が壊れ、より成分が出て、美味しくなるのでは?

もしそうなら一挙両得!

同量の野菜くずを2種類用意し、片方はそのまま。もう片方は冷凍しました。

下の写真、鍋の左側が冷凍。
右側が冷凍してないもの。

冷凍の方、トマトのへたがかぶの皮と一体になってます(笑)

鍋の内側が黒くて、色の違いが分かりづらい…。
取り出してみます。


予想通り!
冷凍した方が少しだけ色の濃いだし汁になりました。

味も冷凍した方が濃い気がする?!

飲んでみてもらった!

■子ども達

まずはわが子どもたちに、味見をしてもらいました。

実験1(基本的な野菜)娘(◎) 息子(○) 私(◎)
実験2(甘みの出る野菜)娘(○) 息子(◎) 私(○)
実験3(炊飯器)娘(△) 息子(△) 私(△)
実験4(アブラナ科の野菜)娘(×) 息子(×) 私(△)
実験5(冷凍した野菜)娘(○) 息子(△) 私(○)

実験1の基本的野菜のベジブロスが一番人気。

野菜のバランスがよかったのでしょうね。

■食オタクメンバー


それでは~!
私的にも一番美味しいと思った実験1のベジブロス。

野菜オタクメンバーにも試飲してもらいましょう!!

匂いをかいだり…。
見つめたり…。

かんぱーい!!

「かぶの匂いがする~」

「この色は何?」
「やっぱり玉ねぎなのね」

こんな会話が飛び交います。

「ん?意外と美味しい」
「飲める~」

なんと嬉しい反応(笑)

ここにソフリット(※)を入れることで、美味しいスープに変化させました。

ソフリットとは?
ペースト状の野菜のうまみのもと

ベジブロスも、ソフリットも、野菜の力!

その凄さを感じながら!
最後は笑顔、いただきました~。

ベジブロス作り方まとめ

それでは!
そんな魅力的な「ベジブロス」の、作り方をおさらいしておきます。

ベジブロス作り方

両手いっぱいの野菜くずを用意します

●野菜くず…種、皮、皮と実の間、へたなど


じっくり弱火で20~30分煮るだけ!

この中にいい成分が溶け出ているんですねー!

作る時のコツ


5種類ほどの野菜を入れる


●煮る前に50℃ほどのお湯で汚れを落とす


●苦味が出るので強火でグラグラ煮ない

●香味野菜を入れる

●野菜独特の臭みを消すためにお酒を少量入れる
(水1ℓに対して小さじ1程度)

●ある程度たまるまで野菜くずは冷凍庫で保存する


●濾す時はペーパーを使用する


●できあがったベジブロスの保存は冷蔵庫なら3日、それ以上は冷凍!

なぜベジブロスなのか?


いつもなら捨ててしまう野菜のへたや皮などに、ファイトケミカルが多く含まれているんですね。

植物が身を守るために作りだす色、香り、苦味、辛味などの成分であるファイトケミカル。アントシアニン・イソフラボン・カプサイシン・リコピン・カロテン等々。その数は数千種類を超えるそうです。

しかも、どれも人間の体内では生成できない!
捨ててしまうところが栄養豊富で再利用できるとすれば、やらない手はないですよね!

ベジブロスで、野菜の栄養を余すことなくいただいちゃいましょう(笑)

やってみて…


野菜のパワーが摂れるベジブロス。

様々なストレスや疲れ、紫外線や添加物などで活性酸素が体内で作られ、体が錆びついてしまうとか!…怖すぎます!!

その錆びつきを除去してくれるものとして注目される、ファイトケミカル。大切な体を錆びつかせないためにも、上手に取り入れましょうね~。

有名なファイトケミカルの多くは色素成分。

見た目にもカラフルな野菜の組み合わせで作ることが、美味しいベジブロスを作るコツです。

緑だけではなく赤、黄色、オレンジ、紫などを混ぜてみましょう。
きっと美味しいベジブロスができますよ。

美味しくないと言われるベジブロスでも、工夫次第で美味しくできる上に、健康にも繋がる。
なんて素敵!

今日食べるものは明日の私。
野菜で「きれい」と「元気」を手に入れましょう!


実験で何度もベジブロスを作ったキッチンには、へたなし、皮なしの野菜がゴロゴロ…。

そんな時は野菜をオーブンでグリル。


もちろんベジブロスのスープを添えて。
ソフリットと塩糀を加えました。



鶏とキャベツのトマト煮にも、ファイトケミカルがたっぷり。
より甘みも引き出されて美味しくできました!

その他、カレーやお味噌汁にも使ってくださいね~。

次回の食オタノートもお楽しみに!